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クラブ創設五周年を迎えて

仙台市太白少年少女発明クラブ

平成16年度に創設されて以来当クラブは平成20年度で五周年という節目を迎え
記念事業として、記念誌の発行および記念式典、記念講演、祝賀会などが催されました。

今回はおもな部分を抜粋してご紹介いたします。

           ======*記念誌より*======

クラブ代表者よりご挨拶    「 創立5周年にあたり 」
                              

                        仙台市太白少年少女発明クラブ    会長 工藤 治夫


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(クラブ創設者として式典で挨拶の言葉をのべる工藤治夫会長)

  平成17年1月に宮城県内で3番目の発明クラブとして誕生しました仙台市太白少年少女発明クラブもお陰様で創立5周年を迎えることができました。
これもひとえに企画運営委員や指導員の皆様の温かく情熱溢れるご協力と太白小学校並びに地元企業の皆様のご支援の賜と深い敬意を表しますと共に衷心より御礼申し上げます。
 当クラブは、地域の児童生徒の皆さんに「ものづくり」活動を通して科学的な発想に基づく発明工夫の楽しさと創作する喜びの体験を通して「未来に向けて創造性豊かな人に成長して貰いたい」という目的のもとに運営してまいりました。
これまでに小・中学35校から99名のクラブ員が参加して実践活動をしてきましたなかで、みやぎ発明くふう展や未来の科学の夢絵画展におきまして、宮城県知事賞をはじめ17件の入選と、更には全国展におきましても3人のクラブ員が入選受賞しておりますことは、当クラブ活動の成果として高い評価を得ております。
当クラブは「未来を拓く自然エネルギーの活用と技術」をテーマに掲げ、太陽光・風力・水力・等のエネルギーで発電し電池に貯めて有効に使える技術と工夫を学び、もの作りの基本である半田付けやドリルなど様々な道具を使い手作りの工作を通して作品を作り、性能を測定して改良を重ねる工夫を導くよう指導に努め子供達に科学と技術の面白さに興味を深めるように活動しております。
また、夏の見学会では一般的には見られない施設や事業所を特別なご協力の下、分かり易く丁寧な説明による見学は子供達と保護者にも貴重な体験をした事と思います。
平成17年:自然エネルギーは? 東北電力の水力発電所とソーラー発電施設
平成18年:物質と宇宙の元は? 最先端研究・東北大学原子核理学研究施設、
平成19年:環境と気象は? 気象観測機器メーカー・光進電気工業(株)
平成20年:ものを作る? 機械工場・梶原電気(株)
地元企業の出前講座においては担当された社員の皆様の周到な準備による講座でありました。
平成18,19年:光の科学 ピンホールカメラ・顕微鏡を作る・仙台ニコン(株)
平成20年:応力発電 圧電素子で振動ライトを作る・NECトーキン(株)
毎年冬の恒例イベントとして自然エネルギーの電気でクリスマスにイルミネーションを点灯していますが子供達がそれぞれに作った風力発電機と太陽電池を集合設置して発電した電気を蓄電池に充電し、その電力で夜間に太白小学校の校門側に設置した発光ダイオード11,000個のイルミネーションが煌びやかに輝きます、この瞬間は子供達も大人も地域の人々も感動する瞬間です。 
クラブ員の皆さんには、クラブの様々な「ものづくり」活動の経験を通して多くの失敗や苦労を乗り越えて創造性豊かな発想力とそれを具体的な形に展開出来る力を身につけ「生きる知恵」を育んで貰いたいと思っております。 
この度、当クラブ創立5周年の記念として、これまでの活動を振り返り今後一層の発展を期すため記念誌を発行する事と致しました。
多くの皆様方のご協力の下、当クラブが活動して参りました軌跡をご覧頂くと同時に今後益々のご支援と、ご鞭撻を賜ります様お願い申し上げます。
 最後になりましたが、本誌発行にあたり様々なかたちでお力添えを頂きました皆様並びに編集委員諸氏に厚く感謝の意を表しまして発刊のご挨拶と致します。

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チーフスタッフのメッセージ

「自然エネルギーの活用で美しい地球を守りたい」                  
                    
                                     専任指導員    奥村 清彦

  誰でも子供時代は好奇心に満ちており,みな理科が大好きなはずです。
日頃,意識しなくとも,身のまわりにあるすべてが不思議のかたまりであり,身体のどこかに「なぜ」の心が隠れているとおもうのです。何かのきっかけで「実物」にふれた体験によって,かくれた「なぜ」がひとつ解決したとき,次の新しいものへの好奇心が生まれ「工夫する能力=知恵」が育まれます。
太白少年少女発明クラブでは何よりも先に「体験してもらう」ことを心がけてきました。例えば道具の使い方,自転車の乗り方など身体で覚えたことは長い間忘れないということは日頃経験することです。体験に重ね合わせて「なぜそうなるの?」を理解すれば,身体がおぼえたことが次の工夫(応用力)を生むことにつながります。積み重ねた知恵を生かして人の役に立てるのが理科の楽しさであり,物作りなのです。
環境や自然エネルギーの話題は最近の新聞やテレビでも数え切れないほど取り上げられており,地球に生きるすべてが快適に生き続けられる環境を維持するためには,二酸化炭素を出さないエネルギー開発技術の大きな進歩が必要なことはほとんどの人が理解し始めていると思います。この原稿を書き始めた日,アメリカ合衆国にオバマ大統領が誕生しました。その就任演説の中でもアメリカのエネルギー政策の課題として自然エネルギー利用の重要性にふれていました。
 自然は大きなエネルギーを持っておりその利用が大きくすすめば,きれいな地球環境を守ることができるようになると思います。現在でも太陽エネルギーをはじめ,風,波,地熱,バイオ(生物)など多くの自然エネルギーの研究が進んでおり,さまざまなところで実際に利用されるようになってきています。広い宇宙の中のすばらしい星に生きている一人ひとりが知恵を出し合うことによって,美しい地球を守り通せることを信じたいものす。
平成17年,この発明クラブが発足したことを新聞記事で見て,若い頃から大学の研究室で実験装置の設計製作に携わってきた経験を社会に役立ててもらえる機会と思い仲間に入れていただいて今日までお手伝いを続けてきましたが,会長はじめ経験豊かなスタッフ・指導員の方々とともに純真な子供達と交わることができ,私自身の勉強になったことのほうが多い様な気がします。
この発明クラブが活動を続けられているのは協賛企業の関係者,地域・学校・アフタースクールの関係者,子供達の保護者など多くの方々の支えがあってのことと厚く感謝申しあげるとともに,今後とも変わらぬご支援を賜りますようお願いいたします。
太白少年少女発明クラブの自然エネルギーに注目した一連の活動は,全国に200以上ある発明クラブの中でもユニークなものとして注目されております。これからも発明クラブの活動は続きます。発明クラブで楽しみながら知恵をみがいた仲間が,いつかどこかで科学や物つくりにかかわる人になって,地球に優しい仕事に取り組んでもらえれば,発明クラブのお世話をしている上でこんなに嬉しいことはありません。
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(式典にて、講座総括担当者としてスピーチする奥村清彦専任指導員)

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          === *記念式典より===*

 
  クラブ創設5周年記念式典      3月14日  PM2:00~

☆挨拶 仙台市太白少年小女発明クラブ会長   工藤 治夫   
☆祝辞 仙台市長                     梅原 克彦
     発明協会宮城県支部支部長         四ツ柳 隆夫
     宮城県教育委員会委員            渡 邊 忠彦
     仙台市立太白小学校長            齋 藤 俊子

 
☆ 記念品贈呈 仙台ライオンズクラブより       小 島 養冶

☆記念講演  ロボット博士が「ロボットをつくる」
 
  講師・東北学院大学工学部機械工学科准教授  熊谷  正朗    
     
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お祝に駆けつけて来てくださった梅原仙台市長、SF映画「2001年宇宙の旅」の中から
人類進化の大きなきっかけとなったエピソードを取り上げるなど臨場感あふれる式典の
スピーチに会員は思わず引きこまれる。

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これからもますます知識を身につけることを基礎として、想像力・創造力を発揮してもらいたい」
という言葉にうなづく会員、市長から伝えられた「期待のメッセージ」はしっかり届いた様子です。


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           *======記念講演======*

・ 講演   ロボット博士が「ロボットをつくる」
・ ロボットのデモストレーション


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講演をとおして小学生は意外に理科が好き、理科系に進路を向けてもらうには少なくとも
小学校5,6年位から理科や数学を勉強する動機づけしていくことが重要と語られる。
熊谷正朗先生ご自身の経験を踏まえての説明にはなるほどと感じる大きな説得力がありました。

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「玉乗りロボット」をはじめいくつかの制御ロボットの実演、はたしてうまく乗れるでしょうか。
見たこともないロボットの出現に会場の視線は釘ずけ。会員にとって興味あふれる講演と
なったようです。


           *=======記念撮影======*
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クラブ活動後に駆けつけてくれたOB会員も加わり厳粛の中にも賑やかな
記念撮影となりました。
(正面撮影の掲載ははウエブ上ということで差し控えさせていただきました)

              *===祝賀会===*
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節目の五周年を迎えクラブの発展を願う創設者の渡辺忠彦クラブ顧問と指導員、
協賛企業をはじめ支援者の皆さま方。


本日の式典には祝賀会を含め100名の方々が出席。仙台市太白少年少女発明クラブは指導員スタッフはもとより発明協会、ライオンズクラブ、協賛企業、学校、地域、保護者など実に多くの方々の支えで成り立っていることを実感。これからもよろしくお願いします。


☆彡記念誌掲載の会員の感想などは後日、ご紹介したいと思います。


☆彡今後のお知らせ・・・平成21年度の開講式は新年度の会員を迎えて5月9日を予定しております。


                            (写真 記事 広報 今井)