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2007年02月25日

☆天秤の仕組みを学んで・・・☆

仙台市太白少年少女発明クラブ  第21回講座     平成19年 2月17日実施
                                                                
  
 「さおばかり」を作ろう            
                                
                                     指導主任   奥村清彦 専任指導員
                                                 協力スタッフ(10名)   

講座の内容     
天びんの原理
天びんは支点からの距離(長さ)と重さをかけた値が等しくなったときバランスが取れる。公園のシーソーに乗って遊ぶときをイメージすればよいと解説がある。(なるほど・・・これなら誰にでもよくわかる)

【主な材料】 ・さお(木の丸棒)、一本  ・受け皿、一枚  ・受け皿をつるすアルミの針金、二本 
・ S字型掛け金大中,各一個  ・おもり、15号、5号、1号、0,5号、各一個

【使用道具】   ・きり  ・ペンチ  ・ホットボンド  ・標準おもり、(50グラム、200グラム)  ・定規 他                         (奥村専任指導員オリジナルキッド使用)


                         
重さを量る「天びんばかり」の製作過程において会員はたくさんの「はかる」を学んだようです。

天びんの支点を求めるにはバランスの取れるところをきちんと正確に測る。

おもりがつりあわずうまく量れないときはどうすればいいのか解決の道を推し量ってみる。

時間内にできるか周りを見ながら自分の製作の進捗状況を計ることもわすれない。

こうやって改めて「はかり」を考えてみるとたくさんの意味がある。

今後困難に出会ったとき会員が自分から積極的に問題を図るようになってほしいと願う。(少しこじつけもあるが;;;会員の成長を願う発明クラブスタッフ全員の気持ち❤)  (♪広報 ・今井)

最初はやはり講義をきちんと聞いてから

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講義は誰でも苦手な時間と思えますが、奥村専任指導員の巧みな話術でこれからの「さおばかり製作」は楽しいものだと期待を抱かせてくれる。


はかり作りに正確に測ることは欠かせない
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簡単なようで正確に測るということは、「はかり」を作るだけに慎重の上にまた慎重をきたす。
会員の定規を見る目はいつもと違う!

周りの状況も推し量る
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太白少年少女発明クラブでは学校も学年もさまざまだけれど、ひとつのファミリーとして周りと協力し交流も楽しみながら活動をするのがモットー。活動中の会員同士も和気あいあいとお互いの製作情報を交換し合う。

さまざまなトラブルの解決を図りながらやっと完成!
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二時間、一生懸命がんばった末に立派な「さおばかり」が出きました。支点の位置もばっちり、バランスもしっかり取れているね。私もチャレンジしてみましたが、なかな大変でした。会員の粘り魂はかなり熱いとみる。
肖像権で?正面からの大写しは載せられないのが残念!

2007年02月18日

金属が酸化するっていいことあるのかな?

仙台市太白少年少女発明クラブ  第20回講座     平成19年 2月3日実施
                                                                
  
 金属の酸化を学習しよう
               指導主任   長谷川 俊一 指導員
                                                 協力スタッフ(11名)   

講座の内容      

*基礎編*     金属について      酸化について

*応用編*     イオン化傾向について 

*実験編* 
①  金属を燃やしてみよう   ②  インスタントカイロを作ろう  ③  イオン化傾向を確かめてみよう
                         

会員はカイロ作りで材料は指示通りに、順番を守り、正確に量る、薬品は危険なものが多いので慎重に扱うなど「楽しく」だけではなく場合によっては、気持ちを集中させて正確にやる。このことがものづくりの感動を深く味わえると理解できた模様。知らず知らずのうちにものづくりの基本的心構えも身についてきたといえます。今後に期待大です。(♪広報 ・今井)


講義を真剣に聞く
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「金属の性質を知っておくことは発明クラブで活動する会員にとって、今後きっと役立つでしょう」と、長谷川指導員、講義の一語一語に熱意があふれる。

酸化の実験・やはりわくわくするね

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鉄粉が燃えた!  空気と結びつき酸化して熱を出したからだね まさか燃えるとは思っていなかったのでびっくり!


実験・酸化の原理を応用してインスタントカイロ作り
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水、塩化ナトリウム、バーミキュライト、活性炭、鉄粉、など数種類の原料を天秤ばかりで量る。初めての機材に手元もかなり慎重になる。誤差のないように神経を集中させているね。


金属の酸化されやすい性質(イオン化傾向)の実験してみようs-s-IMG_3090.jpg

金属の酸化について学んだあとは、またまた会員が楽しみにしている実験。銀より酸化されやすい、つまりイオン化傾向の大きい鉄板を硝酸銀の水溶液にいれると・・・何と鉄の板の上に銀が出てきました。驚きの声がいっぱい。「銀メッキの原理」と説明されてなお納得。金属と酸化に興味がわいた一瞬です。

2007年02月01日

第1回ee-netセミナー

1月22日(月)仙台市青葉区北目町のFiveBridgeにて
「第1回ee-netセミナー」を開催いたしました。

当日の様子をまとめましたので、ぜひご一読ください。

なお、次回のセミナーは2月26日(月)に開催予定です。
ぜひ、みなさまご参加ください。

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<第1部 18:30~20:40>
1.開会の挨拶
 起業教育ネットワーク東北(以下、ee-net) 代表 渡邊忠彦


2.話題提供
  「ベテラン進路指導教員に聞く
   高等学校におけるキャリアデザイン教育の現状」
 話題提供者
 宮城県塩竈女子高校元進路指導部長 會澤純一郎先生

今回のセミナーは、ee-netが主催する初めての一般向け勉強会。

 起業教育そのものを題材とする前に、現在のキャリアデザイン教育全般の課題を把
握するため、小・中・高校の教員、地域の支援者など各セクターの方々にご参加頂
き、情報・意見交換を行った。


 話題提供者の會澤先生からは、長年、県内各地の高校の進路指導に携わられた経験
から、高校での進路指導(キャリアデザイン教育)がどのようになされているのか、
についてご報告を頂いた。以下、報告のあらまし。

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 配付資料に沿って、高等学校の進路指導の現状についてお話し頂いた。

 強く訴えておられたのが、生徒一人ひとりを大切にするという教育のあり方。
 学力信仰を捨て、生徒の存在を認める。生徒の自信を喪失させず、生徒の中にある
夢や希望を引き出し、それを実現させるために手を尽くすことが重要。

 そのような指導を行うべきであるが、どうしても職員室の病気ともいうべき、官僚
制の逆機能としての儀礼主義・前例主義があり、一人ひとりに適した進路指導は難し
いのかもしれない。

 だからこそ、教員は社会の変化を理解し、それに応じて、進路指導も変化させてい
かなればいけない。さらに、進路指導担当者には外部との連携が重要 であり、ネッ
トワークづくりにもっと積極的になるべきだ、と仰っていた。

 もう一つ、印象的な話としては、山形県で一番進学率の高い高校(山形東高校)を
例とした、 文化力が高い学校は、学力も高いというお話。その高校では、一流大学
に入り、その後各界で活躍している卒業生を呼び、講演会を開催している。それ を
聞いた生徒たちは、先輩の姿をロールモデルとし特段の指導を行わずとも、勉学に励
むようになる。

 逆に、「勉強しないと、おまえが困るんだぞ」などという、レベルの低い目標の提
示(強引な指導)では、子どもたちに響かないのではないかとの問題提起がなされ
た。


 以上、約50分ほど熱っぽく語って頂き、話題提供は終了。
 その後、渡邊代表を交えてのフリーディスカッションへと移行した。


3.フリーディスカッション

 會澤先生の報告を受け、フリーディスカッションがスタート。
 渡邊代表がファシリテーターをつとめ、全体で話し合いがもたれた。

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 ディスカッションの中心となったのは、日本の教育制度そのもの。
 アメリカの教育制度を引き合いに出しながら、教育のあり方について熱いディス
カッションとなった。

 アメリカへの留学経験がある方からは、アメリカの教育は「個を創る」ものであ
り、日本の教育は「個を捨てる」ものであるとした。ただし、必ずしもアメリカの教
育制度がいいというわけではないが、一つの視座としての発言であるとの話題提供が
あり、そこから議論が発展していった。

 たとえば、日本の教育は「個を捨てる」というよりは、「共に生きるため」のもの
であり、欧米の教育は「何かになるため」のものであると言える。従って、日本社会
が欧米化していけば、必然的に「何かになるため」(問題解決力)の教育も必要に
なっていくのではないかと考えられる。

 また、先ほどの文化力の話題にも繋がり、「文化力とは人間を理解する力であり、
人間が理解できれば、人間を認めることができる。そこから本質的な教育ができるは
ず」との発言もあった。

 たとえば、子どもをやる気にさせるには、接する大人が、子どもを信じ、社会を
知っていることが重要で、そのためにも、指導する側が人間を理解する力が必要であ
るなど。

 以上のような話の他に、とある中堅企業の人事経験者から、より厳しい現実もある
との報告がなされた。(入試)5教科テストの平均点が100点を割るような高校では、
就職先の選択肢が少なく、企業の面接で「先生からここを受験するように言われた」
としか答えられない現状も理解して欲しいと。

 地域間の格差は急速に広がっており、高校現場教員の負担はますます大きくなって
おり、その現状に果敢に立ち向かう教員の苦悩も伺い知ることができた。

ディスカッションの最後は、学校と地域との関係について。「開かれた学校」とし
て、学校内部に地域の活力を取り入れていく、旧来の考え方から一歩進んで、地域の
中の学校という位置づけを明確にして、保護者以外の、地域の産業人も巻き込んだ教
育環境の整備を積極的にしていくべき、との発言もあった。

 また、学校と地域をつなげた教育環境をつくるための設計力が必要になるだろうと
の発言もあり、「起業教育東北モデル」は、その点でも優れているのではないかと考
えられる。
 

※いずれも簡単に結論が出るような話題ではなかったが、現在のキャリアデザイン教
育の課題がいくつか浮き彫りになった。


<第2部 20:40~22:00>

 第1部の熱気そのままに、交流会が開始。いくつかのグループに分かれ活発な意見
交換がなされた。参加者からは、こうした教師と一般の社会人や経営者が話す機会は
ほとんど無く、非常に新鮮だった。非常に意義のある場であった。小・中学校の先生
にも参加頂き、意見交換をしたい。等の意見が聞かれ、延長を重ねた最後の時間まで
熱気が冷めることがなかった。