(取材および文責:仙台市太白少年少女発明クラブ広報・今井 )
去る10月12日、13日の両日、石川県金沢市において全国少年少女発明クラブ全国会議が開催されました。開催会場の金沢市文化ホールに、全国の少年少女発明クラブから指導員、事務局員が約200名がそれぞれのクラブを代表して集う。
主催者 財団法人 発明協会が用意した2日間の会議メニューはつぎのとおりです。
研修一日目
・全体会議と協会からの諸項目連絡
・新設4クラブ紹介
・講演 からくり人形の歴史と知的財産の結びつき
・質疑応答
・懇親会(夜)
研修二日目
・体験教室
*からくり人形製作コース *ホーバークラフト製作コース *見学コース
・オリジナルキットの展示&紹介
・金沢市からくり館見学(希望者)
研修一日目の様子
初日、開会にあたり来賓の石川県知事、金沢市長が祝辞を述べられる。会場は遠隔地にもかかわらず増席されるほど、写真の撮りやすい席を何とかキープする。
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≪発明協会の動きと考えていること≫
ー会議要覧、および出席者との質疑応答より一部抜粋して要約ー
Q、本会議の目的は?
A、少年少女発明クラブの円滑かつ効果的な運営を図るため、意見の交換と指導方法などについて研修の場とするものです。
Q、発明協会が、各地の少年少女発明クラブ運営に対する基本的な考えは?
A、基本的にはそれぞれのクラブのやり方にお任せしている。運営方法で何かいい案があれば協会のほうへどしどし寄せていただければと思う。
Q、指導員の確保に苦慮しているが、協会として何か対策は立てているか?
A、指導員の皆さんの活動に対する情熱には大変頭が下がる思いだが、協会としてもいろいろ考えている。例えば今日のような全国会議の場などで優秀指導員を表彰するというような制度を設けることも一つの方法だと思う。
Q、クラブ活動の資金獲得が大変だが、協会としてバックアップ体制を考えているか?
A、企業の支援を拡大していきたいと考えている。方法としては、
*PRのためのパンフレットを作る。
*発明協会のホームページから企業へのリンクができるようにする。
*子どもの作品を企業のイメージアップに使用する。
*企業協賛マークを作る。 などを検討している。
Q、少年少女発明クラブや指導員の活動の範囲はさらにどんなことを考えているか?
A、文部科学省が子どもの理科離れを防ぐため全国10万校を対象に60億の予算を組んでいる。
協会でもサポート制度を検討している。
その他に、「子どもの居場所つくり」として地域と発明クラブがもっと密になり連携プレーれをすば何かできると思う。
Q、会員が部活や塾通いなどであまり集まらないがどう考えているか?
A、平成17年度資料によると全国190のクラブで男子6493人女子3085人と合計9578人の子どもたちが活動しているのは予想以上に多いのではないかと捉えています。
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(♪取材雑感)質疑応答ではもっと白熱するのかなと思っていたけれど、穏やか過ぎるやり取りに少し物足りなく感じる。会議のスケールが大きいとやや形式的になるのはいたしかたないのかな?と勝手に推察する。
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講 演 IP指導員 矢野 光男氏(半屋 春光)
からくり人形の歴史と知的財産との結びつき
遊戯の中から生まれたおもちゃのからくり人形は創意、工夫、その時代の美しさのこだわりや先端技術が利用され、ロボットの原点といわれます。
そのいわれをたどると人の生み出す技術の創造性と可能性を知ることができます。
本日のIP講演では江戸からくりの技術の創造性と知的財産の意義を現在の所有権制度との対比で説明しています。
お茶を乗せると動き出したからくり人形、堅苦しい会場の雰囲気が瞬時に和む。
小さい体ながらなんとなく江戸の情緒と雰囲気が漂う。
着物の未着用人形でからくりをわかりやすく解説する。大勢の指導員の方もカメラを片手に 興味深く見学する。
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講師プロフィール 半屋 春光 氏
昭和17年群馬県生まれ。30歳で通産省工業技術院を退官、このころに
江戸期の技術書『機巧図彙』と出会い、「からくり人形」の再現 に取り組む。
「技術立国ニッポンの原点ともいえるからくり技術の再認識と復興を」と訴え、
若い世代への技術継承に力を入れる。からくり人形工房「スタジオぎえもん」を主宰。
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♪ 新設された4クラブの紹介
・仙台市青葉少年少女発明クラブ(宮城県)
・三島市少年少女発明クラブ (静岡県)
・上越市少年少女発明クラブ (新潟県)
・三豊市少年少女発明クラブ (香川県)
宮城県からは青葉少年少女発明クラブの秦会長が新設クラブとしてスピーチされる。
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発明協会発表データーのいろいろ 平成17年度
*全国の少年少女発明クラブ数-190クラブ
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*全国の在籍クラブ員数-9878人
在籍数21~40名のクラブが全体の半数以上の 54%を占める。以下、20名以下22%、41~60名のところが12%と続く。
@在籍数30名前後の太白少年少女発明クラブは全国的にみて標準的のようです。
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*クラブ在籍学年別内訳
小学4年と小学5年がそれぞれ22%で、小学1・2年が18%、小学3年と6年がそれぞれ16%、中学生が6%とやはり小学生の在籍が圧倒的に多い。
@太白少年少女発明クラブの募集学年、小学4年~中学生に照らし合わせてみると三分のニを越える。このことからわがクラブの在籍学年層は全国的にみてほぼ標準といえる。
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*クラブ指導員数-1980人
6~10名のクラブが65クラブで35%、 5名以下のクラブ が61クラブで 32%、と10名以下のクラブが合計で三分の二を占める。以下11名~15名在籍のクラブが31クラブで16%、16名~20名のクラブが18クラブで10%と続く。
@ クラブ員、指導員の総数からも1人の指導員が5人のクラブ員を指導していることになる。
わがクラブでは指導員・サポータ あわせて 毎回12~16名が活動しており、全国的にみても指導陣層は厚いといえる。
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*クラブの年間活動回数
21 ~31回 が92クラブ 49%とほぼ半数を占め、以下11~20回が61クラブで32%、31回~40回と41回以上がそれぞれ同数の13クラブで7%と続く。
@太白少年少女発明クラブは23~25回なので年間活動回数においても全国的に標準といえる。
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*クラブ運営費
51~100万のところが69クラブで37%、101~200万のところが54クラブで29%、31万~50万のところが36クラブで19%となっている。ちなみに201万以上は17クラブで全体の9%になっている。
在籍人数や活動回数にもよるが、運営費に関してはほとんどのクラブが獲得に苦心しており、公的なあるいは民間組織のバックアップがあるかないかでかなり格差が出ている模様。
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(♪取材雑感)
会議をとおして、全国の少年少女発明クラブの指導員や事務局の皆さんの少年少女発明クラブにかける思いは相当深いと感じる。公的機関から活動の要請があればさらに尽きることのない情熱で協力するでしょう。、運営の雑事や運営費の捻出に多大な苦慮をせずに、本来の「ものづくりのエネルギー」を子どもたちの活動に十分向けられるようになってほしい、そんな環境が一日も整うことを願う。
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研修二日目の様子
半屋春光講師の指導により希望者の一番多かった、からくり人形「スイマー」の製作が二日目のメイン研修となる。
取材者も体当たり体験、ものづくりが苦手と見てか、お隣の席の愛知の発明クラブの指導員が丁寧にサポートしてくださる。嬉しい触れ合いのひと時。贔屓目抜きにしてこういう指導員の方に教わる子どもたちは幸せかな?
タコ糸と滑車で手、足、首を動かすからくり人形の製作、50名の受講者のうち女性もかなりチャレンジしました。難易度は小学生が1~2時間でできる程度とか。でも金沢で、ものづくりの体験は予想以上にフレッシュだったようで皆さん楽しみながらやっていました。
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こんなオリジナルキットが紹介されました
*昆虫捕獲器 *電子オルガン *エアーカーリング *ステアリングカー *カプセルUFO
*昇り人形 *カットピーカー *光る星座 *いらいら迷路 *クリスマスツリー*音の出る万華鏡
*手作り自動車 *光るオルゴール
カーリング
木のソーラーカー
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★取材あとがき★
昨年新築された近代的な金沢駅、アルミとガラスで出来たドームは」もてなしドーム」と命名され観光客を歓迎する。さすが加賀百万石、伝統工芸、近代芸術、海、山の幸、北陸経済圏の要としてバランスよく栄えている。「前田まつ」の影響も大きいかも知れない。地の利が遙かによい仙台ももっと「郷土力」を高めたいものです。クラブの会員たちに思いをはせつつ金沢に別れを告げる。学ぶことの多い「少年少女発明クラブ全国会議」出席でした。 (♪広報・今井)